第二部 三回 江戸城外堀を巡る(前編)

12月10日(火)、12火(木)、14日(土)の3日間、東京のまだまだ美しい紅葉の中を歩きました。10時にJR飯田橋駅をスタートしました。

西改札口を降りて本日の予定などを聞き、右に折れた所に牛込橋があり、牛込見附跡がありました。明治35年に撤去されましたが阿波徳島蜂須賀阿波守が築いた御門や石垣があり、3千から1万石の旗本が3年交替で勤番していました。

真直ぐ進むと神楽坂ですが周りの何カ所か見学してからという事で、日本歯科大学をぐるりと廻り5分で東京大神宮に着きました。明治33年、大正天皇が皇太子の時、初めて神前結婚式が行われました。これを参考に東京大神宮(当時は日比谷大神宮)の神官が神前結婚式を実施し世間に広まったとの事です。

飯富稲荷へお参りして飯田橋方面へと戻りました。その折り、向こうの信号辺りですが、幕末に清川八郎の発案で組織された江戸の警護集団の新徴組が駐屯していた庄内藩酒井家中屋敷があった所との説明がありました。

飯田橋の駅の近くに「東京農業大学開校の地」があり、徳川育英会が明治24年に設立したとありました。初代学長があの榎本武揚なのです。

外堀に住むゴイサギを見ながら歩道橋を渡りました。飯田橋の由来は開府前の江戸でこの辺りの長老、飯田嘉兵衛が家康を案内し、その功に対して、この一帯を飯田村と命名したとの事です。明治23年に鉄製の橋が架けられました。

 

目白通りと分かれて東西線、大江戸線の上辺りを歩いて行くと10分位で筑土八幡宮に着きました。江戸名所図会では平安時代に慈覚大師が小さな祠を建て伝教大師作の阿弥陀如来を祀ったのが始まりとの事です。鳥居の裏側に刻まれている「従四位下行豊前守丹治直人直邦」の行に注目しました。豊前守より従四位下が上だという事を示しています。

猿と桃の珍しい庚申塔や狛犬、金太郎や一寸法師などを作曲した田村虎蔵の碑も見ました。古い江戸時代の神輿もガラス越に見る事ができました。

この辺りは武家地なので元々、町名はなく坂道にそれぞれ名前が付いています。瓢箪(ひょうたん)坂を上がりました。

大きな赤い鳥居が見えてきました。木々の紅葉がまだ残っていて美しい風景の中に入っていきました。本殿も右手にあるカフエやマルシェも近代的な建物なので時間があれば楽しみたいと感じました。

小田原北条氏に属していた牛込氏(大胡氏)が家康より領地を安堵され旗本となったとの事です。おかっぱ頭の狛犬は加賀白山狛犬で江戸中期に流行ったそうです。北野神社の神楽殿は蛍雪神社となりました。

絵馬の奥に進みました。八耳神社は太子堂でしたが耳の病気を治す信仰となりました。神楽坂の東照宮と言われた葵神社と出世稲荷神社の三つが並んで鎮座していました。

神楽坂のメインの通りに向かいました。音楽の友社の前を通り東西線の駅を過ぎると神楽坂のオレンジ色の旗が華やかに迎えてくれていました。ポストの横にコボチヤン像が立っています。読売新聞の四コマ漫画コボチャンを描いていた植田まさし氏が住んでいたとの事です。

神楽坂上から少し奥にいった所に小さな寺内公園がありました。マンションと住宅地の中ですが元は行元寺の境内でした。最初は武士だけが仇討ちを認められていましたが、ここで農民が初めて仇討ちをした所とのことです。

神楽坂の通りを少しずつ下っていきます。相馬屋は1648年創業との事です。四百字詰原稿用紙を作ったとの事で、講師は石川啄木を例に挙げて文士たちにとってこの店の原稿用紙の価値がどれだけのものであったかを説明しました。

 

木曜日、土曜日は先に善国寺に入りました。日蓮宗鎮護山善国寺は家康から山号、寺号を賜りました。江戸三大毘沙門天の一つです。他は芝の正伝寺、淺草の正法寺です。石虎は嘉永元年(1838)のもので英国式水準点の几号が彫られています。毘沙門天は多聞天とも言い多くの願いを聞いてくれるとの事で参拝者を多く集めています。

すぐ右に折れ見番横町に入りました。現在は約25名の芸妓がいるそうです。芸者衆の手配や稽古を行う場所で火曜日、木曜日は三味線の音が聞こえてきました。小さな稲荷神社があり松枝と一番有名な料亭名が角に刻まれていました。この横町は約100Mとのことです。

芸者さん達の履物や小間物を扱う「助六」を見ました。

 

粋な黒塀で有名な「かくれんぼ横町」を少し見学しました。お安いランチでも2200円位からで名のある天麩羅屋さんは天丼が3500円位です。格子戸の内側に小さな庭も見え日本情緒をかもし出しています。

しかし私達の大半の人たちはリーズナブルで美味しい元の通りに戻り昼食を楽しみました。一時間位の休憩で、おせんべい屋やホテルのパン屋の買物を楽しみました。神楽坂の雰囲気をちょっぴり味わった後で毘沙門天に集合しました。

後編に続きます。

 

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