鎌倉街道 第十回 鳩山から町屋
熱中症を避けるために2ケ月の夏休みを取った鎌倉街道あるき隊が、9月から活動を再開しました。
19日(火)と23日(土)合わせて30名で元気に歩きました。
10時に東上線の坂戸駅に集合しバスで鳩山役場前まで乗り、皆様揃って久しぶりのあるき隊でしたが元気よく歩き始めました。午前中は赤沼から今宿へと歩きます。
19日は30度を超す真夏日の中、23(土)は曇り空で涼しい中を歩きました。
火曜日は彼岸花がまだきれいに咲いていました。土曜日は行く先々で木犀の香の清々しさを味わいました。一位の実が赤くなっていて一粒味見をして甘さを確かめました。
11時頃、赤沼の供養塔と呼ばれる三基の石碑を見ました。
今までにも見たことはありますが、養の文字が異形となっているのも興味深くながめました。
前の道は鎌倉街道ということです。
しばらくすると、おしゃもじが祀られている祠がありました。その先の小高くなっている、おしゃもじ山公園へと進みました。
展望台があり、皆で昇って上からの景色を楽しみました。
展望台の脇に木々に隠れながら、それでも大きく渡辺錠太郎大将の忠魂碑が建てられているのを見ました。
この方は2・26事件で殺害されたとの事です。
火曜日は暑くて水分補給をこちらでもとりました。
しばらくすると石造物群があり、中には1600年代のものもありました。
横にはお地蔵さまの祠もありました。
入間川の支流の越生川が見えてきました。下流は越辺川といいます。ここには明治の初期まで河岸があり、底が平らな高瀬舟がここまで物を運んでいたといいます。
明治9年に建てられた常夜灯は今まで見てきたものより小さく感じました。
毛呂山町苦林という地名へと入って行きました。
稲穂が綺麗に色づいています。
小さめの前方候円墳があり古墳時代後期のものとあります。中世になり苦林野と呼ばれる頃には合戦の舞台となり、足利氏、宇都宮氏芳賀氏らの戦いがあったとのことです。
古墳には小さな秋の花が咲き、この静かな場所からは想像もつきませんでした。
右手奥には石の千手観音菩薩が建てれていました。
鎌倉街道約1・0キロメートルとあります。しばらく進むと堂山下遺跡と説明板がありました。
室町時代の集落跡は大類グラウンドの地下で平成2年から5年にかけて発掘調査され鎌倉街道をはさみ東西に集落が広がっていたとの事です。
鉄製の茶器や中国からの輸入された青磁白磁まで出土したそうで集落の文化の高さにまで思いが及ぶのでした。
鎌倉街道上道の矢印があり、細道の両側に曼殊沙華が咲き何と風情があることでしようか。
崇徳寺は苦林の合戦で焼失し、現在の場所に移された延慶の板碑は樹々の中に立っていて、その立派さに驚きました。
円墳がいくつも見えてきました。この古墳群は苦林野の合戦の時に物見塚として利用されました。
そして私たちは残っている鎌倉古道の雰囲気をしみじみと味わいながら歩きました。
その先に歴史民俗資料館があり、お昼にしました。
火曜日は残念ながら休館日でしたので、支援学校のグランドを使わせていただきました。
資料館には、発掘されたものや合戦絵巻もありました。急ぎ鑑賞して午後の部の出発です。
一面の蕎麦の花が満開で集落の奥まって場所を明るくしていました。
数分歩くと鎌倉街道遺跡の柱が建っていました。講師が、堀割状遺構があの杉の処まで続いているといい、私たちは感慨を持って草深い道を見つめました。
2時頃、市場神社に着きました。元は三島神社だったと聞きました。九の日に市がたったと風土記稿に記されているとの事です。
神木は切株となって残っていました。
又、数分行くと三面六臂の馬頭観音がありました。
数分で万葉歌碑に着きました。
「入間道の大家が原のいはゐづら ひかばぬるぬる吾にな絶えそね」
郷名に大家が出てきた越生から坂戸の辺りの一郡付近とされています。
入間川に生えているいはゐづらのぬるぬるに例えて二人の仲がいつまでも続いて欲しいという愛の万葉歌なのです。
東京国際大学坂戸キヤンパスの立派な施設を通り、本日最後の国涓地祇神社へと入っていきました。
こちらの神社は、涌水とこの地の神を祀っています。
後ろに廻り神殿の覆い屋を見ました。古くは熊野神社と云われています。現在は小さな静かな神社ですが、その昔坂上田村麻呂や藤原秀郷が再建したとの事です。
民家の庭の中に、こちらを向いて立派な板碑がありました。昔はお寺(大徳寺)にあったとの事です。
午前中に見た板碑と同じく、梵字が大きく圧倒されるような思いで拝見しました。
西大家駅には3時前後に到着しました。
火曜日の方々は暑さに耐えて頑張りました。土曜日は涼しくて秋を味わいながら進むことができました。
山栗を拾われた方、美味しく召し上がられましたか。
次回も秋を満喫しながら楽しく歩きたいと思います。
こんもりと古墳のつくる花野かな
集落の奥広ごるや蕎麦の花 慶月