第二部8回  巣鴨・板橋界隈を巡る(前編)

実に11ケ月ぶりに江戸名所巡りを再会する事ができました。懐かしい顔35名の再会でした。10月19日(火)、22日(金)、23日(土)の3日間、巣鴨・板橋界隈約9キロを散策しました。コロナ以前の人数より少な目でしたが晴々とした気持ちでJR巣鴨駅10時出発しました。

道路を渡り徳川慶喜の巣鴨屋敷跡の石碑の前に立ちました。広さが約6300坪あったとの事です。明治30年から4年間、巣鴨に鉄道が通るまで住みました。そして現在の文京区小日向に移りました。

巣鴨橋を渡ると左手には真言宗真性寺です。深川の地蔵坊正元の病いが両親の地蔵信仰により治りました。お礼に六地蔵を約15年かけて(1705~)建立したものの一つです。金箔が貼られていたという大きな座像を見上げました。そばに芭蕉句碑がありました。この寺は昔、萩で有名だったそうで芭蕉十哲の杉山杉風(さんぷう)の門人の梅人が芭蕉百年忌(1793)に建立しました。

おばあちゃんの原宿なる通りに入って行きます。巣鴨の代名詞である「棘抜き地蔵」の曹洞宗高岩寺です。本尊は棘抜地蔵菩薩で秘仏です。お礼を飲むか患部に貼ると棘が抜けるように病が治るとのことです。早速、本堂の中に入り買う人もいました。もう一つは洗い観音です。明暦の大火で妻を亡くした屋根屋喜平次が供養の為に観音像を寺に寄進したのが始まりです。持参の布で患部を洗うと病気が治るという信仰です。そして講師がおすすめの大永8年(1528)の阿弥陀三尊が彫られた板碑をガラス越しに見ました。

通りをちよっとそれると青果市場の前に巣鴨御薬園跡があります。徳川吉宗がオランダ人を通じて羊を飼育し羊毛生産を試みたが失敗したとの事です。

細い道を7~8分程歩くと日蓮宗慈眼寺に着きました。浦里(吉原の遊女の三𠮷野)と時次郎(伊勢屋の息子伊之助)の墓がありました。明和6年に仲を反対された二人は江戸三河島で心中、父の長兵衛が墓を建てました。こちらは戦後、復元されたものです。近くで見られなかったのですが二基がぴったりと寄り添って立っていてそれぞれに和歌が彫られているとの事です。他に芥川竜之介の本人希望の座布団がのっている形の墓や、京都から分骨されたという谷崎潤一郞の墓も見ました。司馬江漢(江戸後期の画家・蘭学者)と小林平八郞(吉良家の家老)の墓も見ました。

火曜日は法事で拝見できなかったですが金曜日、土曜日の方々は日蓮宗本妙寺に入る事ができました。明暦3年正月の振袖火事の火元の一つと云われ明治44年に現在地に移転しました。関宿藩主の久世家墓、遠山金四郎、千葉周作などの墓を拝見する事ができました。ペリーの通訳をした森山多吉郞のことも知りました。

手塚治虫の墓のある總禅寺の赤門を見て通りました。手塚治虫の墓は公開していないとの事です。

荒川線の線路を渡りすぐに法華宗妙行寺につきました。四谷怪談の「於岩さん」の墓があるお寺です。田宮家跡跡取り娘である於岩さんの婿に入った伊左衛門は大変な遊び人だったそうです。於岩さんは生きる為に旗本屋敷で働き苦労したそうです。四谷鮫ケ橋にあった寺は明治42年に現在地に移転しました。歌舞伎や落語の演目になり有名になりましたが於岩の墓を巡って怪奇な事が起った事から四谷怪談の発端となったようです。こちらの墓地には浅野内匠頭長矩夫人の阿久里(瑶泉院)の計らいで浅野家の供養塔が建てられたそうです。

茶筅塚の直ぐ目に入る天台宗善養寺に着きました。墓地に向かう脇にシキミ(シビキとも)の実が落ちていました。中国原産で中華料理のスパイスである八角(唐シキミ)と間違いやすく日本のシキミは毒があるそうです。

尾形乾山は尾形光林の弟で京都で活躍し江戸入谷に住み入谷乾山と呼ばれ81歳で死亡しました。墓は尾形乾山の四世の酒井抱一が81年忌に建立しました。又、こちらに日本女性初の原子物理学者の湯浅年子の墓がありました。講師はキユーリ夫人の弟子であったと云いました。新門辰五郎の本姓である町田氏の墓や武蔵川理事長の記念碑も見ました。

西方寺は火曜日だけ拝見する事が出来ました。万治高尾供養塔や、可愛がっていた猫に命を救われた吉原の花魁の話を聞いた後に側にある猫の像を眺めました。

美しい椿のような山茶花が咲いていました。

4~5分程、進むと竹藪の中に輪王寺宮が使用した西法院の旧本堂の鬼瓦が見えました。土曜日には隣の学校の校庭に入れてもらいましたが良く見る事は出来ませんでした。

輪王寺宮は、慶応4年に彰義隊が護衛と称して上野山に立て籠もりましたし、その後に奥羽列藩同盟の盟主となりました。

5~6分位歩き大正大学の門の前を通りました。中山道脇の千川上水跡を見て滝野川銀座を進みました。ここは旧中山道です。板橋駅の前の近藤勇の墓までやってきました。こちらで昼食の休憩です。あてずっぽうで入った四川料理のランチが600円でとても安くて味もまずまずでした。

後編に続きます。

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