第二部 12回  高田・池袋界隈(前編) 午前の部

7月、8月は暑さの為にお休みしていました江戸名所巡りを再開しました。

9月は13日(火)と17日(土)でコロナ禍にも関わらず31名のご参加でした。

大江戸線牛込柳町駅を10時にスタートしました。

駅前の通りを渡り1分で天祖神社に着きました。慶長年間、この辺りに住む長兵衛と長者の大橋龍慶により建てられました。

桃の神様を祀った祠がありました。出産の無事を祈願する人が増えお社を建て子孫繁栄、厄難消除に御利益のある神様として今も信仰を集めているそうです。

外苑東通りを5、6分、北上すると和算の関孝和の墓がある日蓮宗淨輪寺に着きました。淨輪寺は慶長17年(1612)に創建し寛永12年(1635)に現在地に移転しました。関孝和は徳川綱豊(家光の三男)、綱豊の二代に仕え従来の算木を使う方法から未知数を文字で表し筆算に直して方程式を解く方法を見つけ弟子を多く持ち「関流算法の祖」と称されました。

直ぐ先に真言宗豊山派多聞院がありました。入口の門が大きくそびえコンクリートの内に鐘が見えていました。こちらも淨輪寺と同じ年に創建移転となりました。

入口の右手に吉川湊一の墓がありました。幼少期に失明し文政9年(1812)に検校を統括する職検校となり人々の福祉に貢献した人です。

その奥に小さな道標があり、これは目白不動に行く道標を寺の内に移したものです。「是より千手院へ一丁」「是より目白長谷寺へ十丁」とあります。

大きな巨石の正等和尚の供養塔を過ぎ墓地の奥に少し高くなっている所に松井須磨子の墓がありました。舞台女優で人気をはせましたが師の島村抱月の死により自殺しました。享年34歳でした。

代表の役は復活のカチューシヤ、ハムレットのオフエリア、人形の家のノラ役です。

通りから西に少し入ると3,4分で漱石山房記念館に着きました。晩年の9年間の住居があった所です。こちらは「それから」、「こころ」、「三四郎」、「道草」などが執筆されたところです。堂々とした胸像が迎えてくれました。公園(庭)の中にまず道草庵があり漱石の年表や山房の説明がありました。庭には遺族が造ったという石を積んだ猫塚がありました、猫の他にも犬や小鳥達の供養塔でもあります。

可愛い花が咲いていました。山房の中は15分位の見学時間を取りました。お土産を購入される方もいらっしゃいました。土、日だけ開くカフェもあり、またゆっくり来たいと思いました。

山房の先に曹洞宗宗参寺がありました。こちらでは牛込氏の墓と山鹿素行の墓を拝見しました。

牛込氏の墓は大胡重行と勝行父子の墓で父子の法号が一基に刻まれています。後に地名である牛込の姓としたとの事です。

奥の高くなったところへ上がると山鹿素行の墓がありました。江戸初期の儒学者、兵学者です。承応元年(1652)に赤穂浅野家に仕えますが意見が合わずに7ケ月で退出しました。その後、朱子学を批判し31歳の時に赤穂に流されました。9年に及びましたが、この時に表したのが「中朝事実」で王朝が交代するたびに皇帝が代る中国より万世一系の天皇がいる日本こそ中朝(中華)だとの考えです。

後に幕末の国家感に影響を与え吉田松陰、宮部鼎蔵などは山鹿流軍学を学びました。又、乃木将軍は殉死する前に昭和天皇(当時は皇太子)に中朝事実を奉呈したとの事です。

墓地の一角にお墓に向く乃木将軍が愛した梅の木が遺族の手により植えられ葉を繁らせています。梅の花も見たいと思いながら後にしました。

通りを渡り東へと進むと6,7分で日蓮宗、宗柏寺に着きました。寛永8年(1631)創建で元禄5年(1704)に一橋家の祈願所となりました。門扉にある紋が珍しく象と橘です。釈迦堂の内に入れてもらい美しい鬼子母神像を見る事ができました。

墓地へ進むと先代の住職が建てた平将門一族の霊位がありました。そして幕末に下田奉行となり日米修好通商条約や日仏通商条約を結ぶ一員となり、その後に軍艦奉行から海軍の拡張に尽力した井上清直の墓がありました。川路聖謨の実弟です。

元の通りに戻り一般公開していない臨済宗済松寺の前を通りました。徳川家光は臨済禅師の「済」と徳川家の祖である松平家の「松」を取り済松寺とし宗門と徳川家が共に栄える様に願ったのでした。

お昼過ぎに神田川を一休橋でわたり緑の多い通りを進みました。大洗堰跡は神田上水の余水を分ける為に造られました。井の頭池の水を水戸藩邸を通し水道橋の懸樋で神田方面に配水したとの事です。

江戸川橋に出てお昼となりました。13日も17日も中華を選びました。あんかけチャーハンも野菜炒めランチもボリユームがありました。暑い中、50分間ゆっくりと水分を取り休みました。午後の部の続きます。

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です