13時過ぎに行徳道の説明板の前に集合し、瑞江大橋の前を通り中川沿いを南下しました。大きな今井水門を通り過ぎ右へと曲り花水木の花の下を進みました。
13時半前後に浄土宗西光寺に入りました。入り口に塩舐地蔵がありました。
すぐ側の真言宗豊山派真福寺の門を潜り稚児大師像を拝しながら進み、橋本家奥津城という墓を拝見しました。橋本省吾は旧下今井村出身で明治27年衆議院議員となり海苔養殖に寄与し、初代葛西浦漁業協同組合長となった人です。又、法印中阿筆子塚という台座に筆子中が刻まれていました。有縁無縁三界万霊塔には古い石仏が並んでいて感慨深く印象的でした
2~3分で熊野神社がありました。江戸中期の創建で「おくまん様」と呼ばれ旧下今井村の鎮守です。神社の前の江戸川は湾曲していて流れが早く「だし杭」を打ってあったので「おくまんだし」と呼ばれていました。水がきれいで美味しく「奥まんだしの水」と言われた水は将軍家のお茶の湯として使われました。拝殿・本殿の屋根を見ると鞭架けがあり、これは伊勢神宮の神明造と同じですと講師が説明しました。ツツジやシヤクナゲがきれいに咲いていました。
すぐに宇田川家の長屋門と立派な庭が見えました。両脇に武者窓のある建築で現在の門は再建されたものです。宇田川家は宇喜新田3千石の開拓者で村役人を務めていました。お庭を覗くと富士塚もありました。
少し進むと古川親水公園がありました。古川の元の名は船堀川で寛永6年、新しい運河として新川を開削しましたので旧船堀川は古川と呼ばれ、その流れを親水公園としたとの事です。
行徳道道標がありました。古川の東の突留橋の袂から宇田川長屋門脇に移され、その後にさらに此の場所に移されました。
新義真言宗蓮華寺の本尊は聖観音で行基作といわれています。「虫除け不動」があり子供の癇の虫に効くとされています。
お手洗い休憩を10分程二之江コミユニティ会館で取りました。八重桜が咲いていました。
日蓮宗妙勝寺は黒門寺と呼ばれていて、趣きのある門を入っていきました。古川沿いのこの寺は江戸名所図会の絵ではなんと広い事でしょうか。弘安7年(1284)に堀江の浦に漂着した舟に乗っていた少年が平家の末裔と言われた日尚上人となり、徳治2年(1307)小堂を建てたのが始まりとの事です。
2~分で旧二之江村の鎮守の二之江神社がありました。樹齢500年以上の神木の欅がありました。神殿を見て先へと進みました。
環七通りを渡る歩道橋を降りるとまた親水公園が現れます。心安らぐ流れがずっと続いていました。
日蓮宗妙光寺の赤い門を入りました。七面殿の懸崖仕立ての長い松に驚き、日蓮宗の庭の手入れの美しさにいつもながら感心しました。
江戸川区はかつて金魚の三大産地の一つでした。堀口金魚養殖場の金魚の絵が見えています。日曜日しか開けていないとの事で、NHK朝ドラの「さくら」の祖父母の家として描かれているのが船堀のこちらの金魚屋さんとの事でした。
10分位歩くと日枝神社に着きました。旧東船堀村の鎮守で慶長19年(1614)の創建です。二ノ鳥居の中に赤い社があり神明造りでやはり鞭架けが着いていました。こちらにも富士塚がありました。
真言宗豊山派の光明寺には15時半前後に入りました。庭の間を通り本堂までの植え込みを楽しみながら進みました。慶長19年(1614)雲切不動尊を勧請したのが始まりとの事です。門前の道は横町に入る進路になっているので「横道の不動様」と呼ばれ、眼病に御利益があるとのことで信仰されています。
2分位で本日最後の浄土宗法龍寺に入りました。食用蛙供養塔が新しく建てられていてその横に古いものが横たわって置かれてありました。大岡勇喜頌徳碑は大岡学校(私立小)生徒が先生の亡くなった2年後(明治31年)に建立しました。
アルミケースの棚には所狭しと蛙の置物がありました。
奥に進むと門の内側に「山椒のお花」の新しい墓がありました。お花は賭場で生きる小柄の可愛い人でしたが、股にあるカニの入れ墨に男たちが惑わされてしまうのでした。ある日、賭場が終わった明け方、舟で新川を渡っていた時に男達に突き落とされ沈められてしまいました。法龍寺の住職がかわいそうにと思い供養したとの事です。
16時近くになって、一路船堀駅に向かいました。左に曲がると見慣れない塔が見えました。
タワーホール船堀へと、ちよってわくわくしながら入りました。エレベーターを乗り継ぐ場所にはエレベーターガールさんが!最上階からの115メートルの眺めを楽しみました。新宿のビル群や海蛍の白い建てものなど、360度の視界が広がっていました。春霞は何ともし難くそれでも爽快感を味わう事ができました。無料なんてやはり江戸川区は裕福なんだろうなあとどなたかの呟きが聞こえました。
16時頃、自由解散しました。ビルのレストランでお茶など愉しまれた方もいらっしゃいました。
タワーの目の前が船堀駅です。皆様お疲れ様でした。平成の江戸名所巡りは終わりました。令和になった5月にまた元気よくお会いしましょう。
鯉のぼり武将慰む松の上
水ぬるむせせらぎの子ら声高し
荒川の水面照り映ゆ春の夕 豊治
長閑しや浅き流れに沿うてゆく 慶月