第二部 11回  小日向・小石川界隈を巡る(前編)

6月14日(火)、18日(土)、丸の内線茗荷谷駅に10時に集合しました。 雨も上がり曇天の中、10時にスタートしました。 火曜日は20名、土曜日は14名のご参加でした。

駅を背に5分くらいで着いた曹洞宗林泉寺はコンクリート造りの新しい建物で階段を上がると墓地が広がっていてその前に縄でしばられた「しばられ地蔵尊」が祀られていました。 盗難や失せ物があると地蔵尊に縄を掛けて願いが叶うと縄を解くそうです。 年末には縄を解き供養されます。 これまで 色々と面白い地蔵を見てきましたが「しばられ地蔵」も忘れ難いものになりそうです。 先代の地蔵も左手にいらっしゃいました。

拓殖大学の立派な校舎が右手にありました。 明治33年に桂太郞により設立された台湾協会学校が起源との事です。 渋沢栄一や新渡戸稲造も関わり、第12代学長は中曽根康弘でした。

茗荷坂を登り10時10分頃に浄土宗深光寺に入りました。 墓地の最前列に堂々としたお墓があり法名が「著作堂院誉蓑笠居士」である滝沢馬琴と妻のお百のものです。 こちらが馬琴の主家である旗本の松平(大河内家)の菩提寺なのです。 馬琴がデザインした、上に地蔵がのる墓は運ぶ際に隅が欠けましたが馬琴は「いいよ」と許しそのままの姿がありました。 又、奥には長男の嫁の路女の墓もありました。 馬琴は晩年には失明し執筆を助けたのが路女で、南総里見八犬伝を書き上げることができたのでした。

大東亜戦争中に供出された鐘が30年後に還ってきたという釣り鐘を見上げました。

そして、ちよっと離れた所には延命地蔵があり寛永20年(1643)と古い物でした。

坂を登る途中に蛙坂の説明板があり、東側は蛙が多く居たとのことです。 ここから切支丹屋敷へと通じていました。

そして2,3分で切支丹屋敷跡に立ちました。 牢屋敷とも呼ばれ、こちらは島原の乱の5年程後にイタリアの宣教師達が江戸に送られ伝馬町からこちらの井上筑後守政本の下屋敷に牢番所を建て収容したのが始まりでした。 宣教師たちは 幽閉され厳しい拷問により改宗させられるのです。 イタリア人宣教師ジヨセフ・カウロは浄土宗に改宗され岡本三右衛門と改名させられました。 説明を聞きながら、この辺りの恐ろしい歴史の上に立っている悲哀を感じました。

3,4分で新渡戸稲造旧宅跡に行くとワンルームマンション反対のビラが貼ってありました。

住宅地を4~5分歩くと小日向神社がありました、貞観3年(860)創建と古く、その後、合併を何度かくりかえし明治2年に小日向神社となり現在地に移りました。

10時43分、服部坂の説明板の前を通りました。 江戸時代、服部氏の屋敷があった場所で明治2年(1869)に小日向神社が移されました。 永井荷風は眺望のよいところとして作品に表しました。

山法師の咲く通りを行くと曹洞宗の日輪寺です。 小日向神社(氷川神社)の別当寺です。 氷川神社の提灯がありました。 甘酒婆地蔵が目を引きました。 呼吸器系の病気を治そうと地蔵尊になったとのことです。 可愛らしい表情を皆で眺めました。

並ぶようにして浄土宗本法寺がありました。 漱石の墓は5月の雑司ヶ谷霊園でみましたが、こちらは夏目家の墓があります。 漱石の句碑もあり正岡子規の友情を思いおこします。 「梅の花 不肖なれども 梅の花」几号水準点が手水鉢台石に彫られていました。

国際仏教大学院の通用門への道路を奥に行っていくと門の中に一本の大銀杏の木があります。 徳川慶喜の屋敷に植わっていた木です。 巣鴨より転居し明治34年から12年間この地で暮しました。 大正2年に急性肺炎の為に76歳で死去しました。

5分位で文京区立金富小学校前に神田上水の説明板がありました。 この前の道を神田上水が通っていたのです。 家康の命をうけ井の頭池を水源とする上水を江戸まで通しました。 水戸屋敷(小石川後楽園)を通り江戸、東京市民の命の糧となりました (明治34年まで)。その後 暗渠となり通称は「水道通り」と云われています。

通りをどんどん南下して10分位で北野神社である牛天神に着きました。土曜日には茅の輪潜りが出来ました。永寿3年(1184)、東征の折り、源頼朝が腰掛けたという石がありました。願い牛は文化6年(1809)のもので皆が撫でてツルツルでした。




中島歌子の「雪中竹」の歌碑がありました。夫は水戸藩で天狗党に加わり獄死しました。

中島歌子は夫の死後、実家に戻り和歌を教える歌塾の萩の舎を開きました。その萩の舎跡に立ちました。

樋口一葉は14歳で入門し18歳で内弟子となりました。

12時すこし前に本日の昼食場所に着きました。 萬盛蕎麦屋は創創400年で澤蔵司稲荷と関係の深いお店です。稲荷に毎朝お供えする箱蕎麦も味わいました。

午後の後編に続きます。

 

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