第二部 10回  雑司ヶ谷界隈を巡る(前編) 

令和4年5月10日(火)、14(土)の両日、合わせて30名のご参加で雑司ヶ谷界隈を巡りました。10日は夏日となりで熱中症に気をつけながら、14日(土)は少し細かな雨がのこっていましたが皆様元気に頑張り楽しむことができました。

都営三田線千石駅を10時過ぎにスタートし白山と千石の間の道路を南下しました。伊勢ヶ浜部屋のマンションを右手に見ながら進み左に折れると徳本の蔦文字の石柱が立っていました。

浄土宗一行院です。徳本上人は浄土宗捨世派の念仏行者で宝暦8年(1758)に紀州に生まれ、あの畠山重忠の末裔とのことです。文化14年(1817)増上寺大僧正の招きで江戸に下り浄土宗を説くと大名、旗本、町民が帰依しました。一行院に移り翌年に没し、ここに墓があります。門をくぐり拝見すると。その大きさに驚きました。麦などの粉一合が一日の食事で苦行と昼夜の念仏に明け暮れた上人の墓にしては大変立派でご本人はどう感じておられるのだろうと考えてしまいました。

浄土真宗寂円寺には京都見廻り組で坂本龍馬殺害の犯人とされる今井信郎(ノブオ)の墓があります。土曜日は門の前の説明だけとしました。

5~6分で日蓮宗、本念寺に着きました。こちらは大田南畝の墓があります。南畝の生まれは牛込御徒町で終焉の地が神田駿河台です(1749~1823)。17歳で幕府に出仕、19才で寝悦(ねぼけ)先生文集で流行作家に。そして狂歌号の蜀山人で活躍しました。辞世の句は「生き過ぎて七十五年くいつぶし限り知らぬ天地の恩」「今までは人のことと思ふたに俺が死ぬとはこいつはたまらん」墓石には「南畝 大田先生之墓」と記されてありました。

10分位歩くと本日のメインの一つ小石川植物園に到着しました。寛永15年(1638)、将軍家光の薬園が麻布と大塚に開かれ麻布に移った時期もありましたが正徳3年(1713)、小石川御殿跡の当地に移されたとの事です。中央あたりに小石川養生所の井戸が残っていて薬草の乾燥場跡も残っています。東京大学大学院理学系研究附属植物園が正式名称です。まず精子発見のソテツの木の前で朱色の実をみつけました。

新緑の中をどんどん進むと内田祥三設計の本館がありました。メンデルのブドウがあり、ニユートンのリンゴの木はニユートンの生家の木の接ぎ木というので、しみじみ眺めるとちいさな実がついていました。いろはもみじの並木を進むと薬草の乾燥場の石畳が一部そのまま残されていました。

精子発見の銀杏の木を見上げ、お手洗い休憩、水分補給をしたのち中央の旧養生所の井戸をみました。徳川吉宗と大岡忠相が享保の改革の一環として設置された目安箱に町医者小川笙船(赤ひげのモデル)が投書して養生所ができました。甘蔗試作跡のサツマイモに似た石の碑がありました。青木昆陽が享保20年(1735)、甘蔗の試作をここで研究し全国に広めることができたそうです。

ハンカチの木は花が終わったところで白い苞が下に落ちていました。途中ですべりやすい階段を降り日本庭園と奥の旧東京医学校の美しい建物を見ました。臨時休館中とのことでした。明治11年(1876)疑似洋風建築として建築し関東大震災にも耐えたということです。広々とした日本庭園は綱吉幼少期の居邸と蛭川能登守屋敷跡とに残された庭園です。火曜日は植物園で一時間散策し12時になってしまいました。

播磨坂を上り浄土宗宗慶寺の前に来ました。茶阿局は、駿河の人で家康の側室となり第六男忠輝の生母となりました。飛騨高山へ流謫中の松平忠輝を案じながら元和7年(1621)亡くなりました。「朝覚院殿貞誉宗慶大禅定尼」にちなんで寺は朝覚院宗慶寺と称することになったとのことです。門を入って左手の下った所に墓碑である宝篋印塔を見ました。

隣の敷地内の旧松平邸にあった極楽水とか極楽井と呼ばれた吉水を再現してあり通路を通りながら見て外へと出ました。

3~4分で石川啄木(1886~1911)終焉の地に着きました。明治44年8月から翌年の4月13日、亡くなるまでの約8ケ月間、家族と住み執筆しました。3月に母を亡くし翌月、友人の若山牧水と妻の節子に看取られました。26歳の若さでした。隣の敷地に小さな啄木顕彰室が造られていました。

神楽坂相馬屋製の原稿用紙に死の直前の二首が書かれてあり、表にある石碑で見ることができました。「呼吸すれば胸の中に鳴る音あり凩(コガラシ)よりもさびしきその音。」「眼閉じずれど心にうかぶ何もなし。さびしくもまた眼をあけるかな。」

元の広い通りに戻り昼食をとりました。50分間の休憩です。中華、インド料理、蕎麦屋の中で好きな店に入りました。大きなナンがふわふわとして美味でした。

後編に続きます。

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